認定NPO法人 外国人の子どものための勉強会

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2025年千葉日報掲載記事

2025年6月13日付け千葉日報に当NPO法人の活動が掲載されました。

日本語学習環境に課題 NPOが児童らに支援教室 在留外国人増 【ちば子どもの居場所 学び多様化の時代に】(3)

ちば 子どもの居場所
学び多様化の時代に

 日本に住む外国人の数が増えている。出入国在留管理庁によると、2024年末時点の在留外国人数は376万8977人で、3年続けて過去最多を更新した。千葉県内でも12年に約10万5千人だった在留外国人数が24年には約22万人と倍増。少子高齢化が急速に進む国内で外国人材は労働力を支える存在になり得る一方、親の都合で日本に越してきた子どもたちは日本語の習得や進学に苦労している現状がある。 (増淵あかり)

 4月下旬、松戸市内のある一室に小学校の授業を終えた子どもたちが日本語を学びに集まってきた。その全員が日本語を母語としない外国人の子どもたち。認定NPO法人「外国人の子どものための勉強会」は、同市で定期的に勉強会を開催するなどして、来日した子どもたちが安心して日本語を学べる“居場所”を提供している。同法人では現在、小中学生の約60人の子どもたちが定例勉強会に参加し、週に1度日本語を学んでいる。出身国は中国、フィリピン、ネパール、ベトナムスリランカなどさまざま。親の仕事の都合で日本に引っ越してくる場合が大半で、日本語を全く話せない子もいる。

 勉強会は日本人のスタッフが児童生徒を1対1で受け持つ担任制。子どもたち一人一人にスタッフが横で付き添いながら、理解しやすいように工大した「やさしい日本語」を使って丁寧に教えるひらがなや力タカナ、単語に文法と個人の進捗(しんちょく)に合わせて徐々にレベルを上げていく。全く日本語を話せない状況から意思疎通ができるようになるまでに約半年かかる。勉強会で学んだり、学校生活を過ごしていくうちに日常会話はこなせるようになるという。

授業や宿題に必要
 問題は「学習言語」だ。学習言語とは算数や社会などの教科を学ぶために必要な言語のことで、日常会話よりも習得に時間がかかると言われる。学習言語を理解していないと、意思疎通は図れても授業や宿題の問題文の意味が分からないという事態に陥り、日本語を母語としない子どもたちの日本での進学には大きな壁として立ちはだかる。

 同法人では日常会話を習得した子どもには学校の宿題などを通して学習言語を教えるよう に段階的に対応しているという。
 勉強会には日本語の勉強だけでなく、子どもたちが安心して過ごせて、日本を好きになってもらうという目的もある。日本 の四季折々の文化を体験するイベントを開いたり、授業後には子どもたち同士で交流を深めら れるようにレクリエーションの時間が設けられている。同法人のスタッフらは 「せっかく日本に来たのだから好きになってほ しい」「ここに来れば何でも教えてもらえるという安心感を与える場所にしていきたい」と口をそろえる。

 松戸市の在留外国人数も年々増加し、24年6月末時点では県内市町村で3番目に多い。同法人でもコロナ禍以降、勉強会への申し込みが増加し、 教室を増設するなどして対応していても侍機者が出てしまうほどだ。同市は今後も外国出身者の人口増 があると見越し、23年2月には「多文化共生のまち推進指針」を策定し、日本人市民と外国人市民がお互いの価値観を認め合いながら安心して暮らすことができるまちづくりに力を入れている。

 同法人の中尾治子理事長は「私たち民間のボランティアだけでは対応できる数に限界がある。もっと行政と連携していけたら」と、 来日して日本で育つ子どもらを支える必要性を強調した。